水の触感を解析するために用いた実験装置
人間が手触りで水の存在を認知する仕組みを、山形大大学院理工学研究科の野々村美宗准教授(43)らの研究グループが世界で初めて解明した。
指先には4種類のセンサー(触覚受容器)があり、それぞれに加わる刺激の組み合わせによって感触が決まるとされる。野々村准教授は、ガラス板に指で液体を塗る動作について、指先の摩擦抵抗の変動を解析するとともに、コンピューターシミュレーションによって触覚受容器にどのような刺激が加わり、脳に伝えられるのかを調べた。
油やアルコールなどさまざまな液体と比較した結果、水を塗る時に限り「マイスナー小体」と「パチニ小体」と呼ばれる2つの受容器が特別な反応を示すことが分かった。「われわれは“キュキュッと感”と表現しているが、実は、いろんな液体の中でも水の感触は特殊だ」と野々村准教授。この研究結果に基づき、水を塗る時に指先に加わる刺激を超音波振動で再現する装置を試作したところ、実際には存在しない水を、ある程度知覚させることができたという。
人間にとって最も身近な液体である水の触感の仕組みを解明できたことで幅広い分野への応用が期待できる。塗り心地や洗い心地の良い化粧品、食器用洗剤のほか、さっぱりとした着用感の衣類などの開発に役立つと考えられる。野々村准教授は「さらにバーチャルリアリティー(仮想現実)技術を高められれば遠隔手術ロボットや、触って楽しめる3D映像などへの応用も期待できる」と話している。
「水を塗る」 メモ)パチニ小体とマイスナー小体についての確認
水の触感を解析するために用いた実験装置 人間が手触りで水の存在を認知する仕組みを、山形大大学院理工学研究科の野々村美宗准教授(43)らの研究グループが世界で初めて解明した。...